コロナ禍が収束に向かうのに伴い、全世界の旅ナカ事業者を元気づける回復期となりました。消費者も旅行再開に大きな期待を寄せています。しかし、原材料不足、人手不足、国際情勢および各国の貨幣政策の影響により、旅行業界にとって、2023年は依然として課題の多い年となっています。この重要なタイミングで、旅ナカ事業者用 基幹システムを開発する rezio (レジオ) より、「2023 旅行トレンド・消費者動向レポート」を発行しました。レポートを通じて、現在の旅行市場の回復状況、新たな旅行トレンド、旅ナカ事業者・消費者心理分析などの重要なテーマを深く検討し、お役に立てる考察や方向性をご提供したいと思います。
このブログ記事では、レポートの要点をご紹介します。今後の企業戦略や経営方針の策定にご活用いただき、売上目標を達成しましょう。
1. インバウンド大国の日本、アウトバウンド大国の韓国
世界の旅行市場を見ると、航空業など旅行業界の人手不足やそれに伴う旅行関連費用の高騰により、コロナ後初の海外旅行は短期の日程で、気軽に行ける近隣諸国への「リピート旅行」を多くの旅行者が選ぶ傾向にあり、日本がアジアからの旅行者に最も人気の旅行先となっています。KKdayのデータでも、全世界のユーザーが予約した旅行・体験の目的地の1位は日本でした。台湾、韓国、香港からの旅行者に人気を集めるほか、コロナ前の2019年と比較すると、タイからの予約は2倍に成長しました。
一方、韓国では海外旅行需要が強く、日本、台湾への入境者数はいずれも韓国が上位で、シンガポールやタイなどの東南アジア地域でも5位以内でした。旅行好きの国民性に加え、価格競争力を有する韓国のLCC (ローコストキャリア) が就航先を増やしており、下半期の海外旅行需要の回復状況は、さらに加速することが明らかです。
海外からの予約を取り込むため、既に多くの旅ナカ事業者はサイトや予約システムの改善を進め、多言語のカスタマーサービスの提供に力を入れています。rezioでは、多言語対応の予約サイトを作成することができます。訪日観光客は表示言語を切り替えるだけで、気軽に予約を完了することができるため、売上向上に貢献できるでしょう。
2. 旅ナカ事業者の売上が好調
近年、アウトドアアクティビティは人気の体験となっており、特にハイキング、キャンプ、スキー、ウォーターアクティビティは、旅行者数と客単価の両方が目立って増加しており、パッケージツアーも力強く回復しています。コロナ後、各国の旅行者は旅行の安全性とプライバシーに重きを置き、日帰りツアーやガイド付きツアー、貸切ツアーなど、旅行会社の提供するパッケージツアーを予約する傾向にあり、パッケージツアーの予約が大幅に成長しています。一方、観光名所やアクティビティのチケットは、発券数が多いため売上は比較的安定していますが、自然景観の季節ごとの変化や祝日の影響により、年間の売上には大きな差が生じています。このため、事業者様には施設入場券の販売以外に体験型アクティビティを計画し、訪問動機とリピート率を向上させることをお勧めします。
また、特に注目すべきは、アウトドアアクティビティなど上位と僅差の「特別な体験」です。ここ数年は環境の変化が大きかったことから、旅行者はより一層リアルを追求し、特別でディープな体験を求める傾向にあります。現地の文化や生活様式などを理解できるような、より有意義な、思い出に残る旅行体験を求めています。このため、農村でのものづくり体験や狩猟体験、弓矢や乗馬体験、伝統衣装を着た写真撮影など、さまざまな「特別な体験」が、多くの旅行者に支持されており、今後の市場におけるポテンシャルが期待されます。
3. 事前予約というトレンド、平日と休日の購買ピーク時間に大きな差
今の消費者は旅行を計画する際、コロナ前のような「思い立ったら即旅行」ではなく、早めに計画を立てる傾向にあります。最も予約のリードタイムが長いのはパッケージツアーで、12日前です。一方、最も短いのは、観光スポット・イベントの入場券の3日前です。
また、体験型アクティビティの購入/予約時間には、平日と休日で明白な違いがあります。平日は11〜13時と21〜23時の2大ピーク時間帯があり、消費者は昼休みや夜間に旅行のツアー・体験を予約していることを示しています。一方、休日の購入時間は分散しており、特定のピーク時間帯は見られません。
まとめると、消費者は旅行をスムーズに行うため事前予約する傾向にあります。そこで、ツアー催行日の21日前までには、商品を公式サイトに掲載し、宣伝・販売するようお勧めします。また、消費者がよく購入する時間帯は、必ずしも旅ナカ事業者の営業時間に限らないと言えます。このため、受注機会の損失を避けるため、24時間受付可能な予約サイトを開設し、顧客が好きな時間に随時訪問でき、直接予約を完了できるようにしましょう。
4. 体験は事前決済が8割強、キャッシュレス決済が主流に
アウトドアアクティビティやウォーターアクティビティ、日帰りツアー、ワークショップなどの体験・ツアーでは、事前のオンライン決済が81.5%に上ります。消費者はオンライン決済に慣れており、キャッシュレス決済を好む傾向にあると言えます。一方、観光スポット・イベントのチケットは、入場券、体験チケット、食事券などで、事業者の多くは現地決済を採用しています。現地決済の内訳を見ると、自動券売機でのクレジットカード決済や電子決済が60%を占めています。つまり、オンラインで予約、決済、発券できるワンストップのサービスを提供できれば、旅行者にとって便利なだけでなく、予約をさらに促すことができます。
5. 海外からの予約が顕著に回復、1年で10倍近くに
rezio利用事業者様の海外からの予約比率に注目すると、2022年5月〜2023年4月までの1年間では、海外からの予約が明らかに増加しているのが見て取れます。
日本市場では、水際対策緩和開始初期は海外からの予約が全体の約3%でしたが、2022年10月に日本政府が個人旅行のビザ免除措置を実施すると、たった半年間で30%近く増加しました。また、比較的遅くに海外からの旅行者の受け入れを開始した台湾も、2022年12月の入境者人数の制限廃止後は、海外からの予約が明らかに増加し、2023年4月までで前年同期比の8.2倍となりました。
rezioの大きな特徴は、複数販路の予約を管理できるチャネルマネージャー (Channnel Manager) 機能です。システムがOTAと接続しているメリットを活かし、ツアー・体験商品を複数の世界的な旅行予約プラットフォームで販売できます。異なる顧客層に対して販売経路を組み合わせ、1つの管理画面でオンライン予約とオフライン予約を簡単に管理できるため、収益や効率の最大化が狙えます。
これまでに紹介してきたように、旅行業者にとって2023年は大きな転換期となります。テクノロジーやデータを駆使して、ビジネス上の意思決定を行えば、新たなトレンドに容易に向き合うことができ、困難を突破をする成長戦略を見つけることができるでしょう。
旅行トレンドや消費者動向をもっと詳しくお読みになりたい方は、こちらのフォームにご入力いただくと、rezioの「2023 旅行トレンド・消費者動向レポート」をダウンロードできます。rezio公式ブログでは、旅行業界のトレンドに関する考察を継続的にお届けします。ビジネス戦略と運営方針の策定にご活用いただき、共に旅行産業の新たなステージを迎えましょう!